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Darfur Stoves Project

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ダルフール ストーブ プロジェクト。

2003年に始まったアフリカ スーダンのダルフール紛争(現在も進行中)の難民キャンプである問題があった。難民キャンプとはいっても日々の生活はしなくてはならず、料理に使う薪を集めなくてはならない。毎日、薪を集めるのは女性の役目で、7時間もかけてキャンプから離れた危険な所まで探しに行かなくてはならないこともしばしば。その途中で兵士に見つかれば彼女達はレイプされてしまう。キャンプには男も当然いるのだが男が兵士に見つかればすぐに殺されてしまうので、この危険な役目を女性が担っている。

ローレンス バークレー ナショナルラボラトリーのギャッドギル博士はこの問題に対して何かできないかとアメリカの海外災害援助機関(OFDA/USAID)から頼まれた。そこでギャッドギル博士のチームが考えたのが熱効率の良い現地の調理スタイルに合ったストーブの開発である。当然、熱効率が良いストーブならば薪をそんなに使わずに調理でき、今まで毎日危険な薪集めに出かけなくてはならなかったのが何日かに1回で済むようになる。さらに、このストーブを現地生産し一つ20ドルで売って、産業の一歩として根付かせようとする計画だ。

なぜ無料であげないのか?それは買ったものとして大切に使ってもらいたいから、そしてスクラップメタルとして売り飛ばされないようにというのが理由だそうだ。(もちろん、お金も何もない人には無料で配る)現地に工場ができると、人が雇われ、給料をもらい、そのお金でまた買い物をしていくという経済サイクルができる。そして、このストーブは従来の調理方法で必要だった薪の量を75%削減できるので、薪を買っていた人はその分お金を貯められる。このストーブを使う事によって年間250ドルの薪代が浮き、およそ寿命が5年なので1250ドル貯金できる計算だ。仮に、工場で1日に100個生産したら、年間250日稼働で25,000個生産でき、それらが使用されれば5年間で約3,000万ドルの経済効果が期待できる。このような小さい調理ストーブのデザインが、女性が暴行される確率を低くし、現地の経済を活性化させるという2つの問題を解決している。

このプロジェクトで素晴らしいと思うのはただ単に物資を与えるだけではなく、現地の生活に合ったプロダクトをデザインし、現地の経済活動の一部として機能するように道筋をつけるという長期的なスキームが見えることだ。自分もローカルデザインを考える良い機会になった。モノづくりのみを考えるだけではなくその波及効果も見越して考えてみようと思った。